2階にリビングをつくったら、明るいリビングになるんじゃない!

2階のリビングは、使い勝手がよくないっていう人もいるし、
実際のところどうなんでしょうか?

リビングを2階にもってきたら、工事費が割高になるってほんと~?


2階リビングは日当たりが良くなるし、見晴らしのよい土地なら

眺望も期待できて、いいことばっかりのような気がしますよね。

実際、新築を考える際、敷地やご家族構成などの条件から
2階リビングが検討されることがよくあります。

日当たりをあまり気にしないでよい個室を1階に配置し
2階にリビングやダイニング・キッチンをもってくる
1・2階が逆転したプランです。

私が設計を担当させていただいたお客様では
最終的には2階リビングの採用率は低くなってはいますが

メリットやデメリットについて、少しお話してみますね。

まず最初に2階リビングのメリットについてです。

リビングといえば、家族が集う団欒の場ですから
採光や通風を考慮した配置計画に最も注意を払いますが、

2階に設置するということだけで、この快適条件は
ほぼ満たされることになります。

住宅密集地などで土地面積が限られている場合など
有効な選択肢でしょう。

日当たりも、風通しも、1階よりは断然有利に働きます。
そして、リビングと広めのバルコニーを連続させるプランがお勧めです。

快適空間はさらに広がり、アウトドアのランチやティータイム、
バーベキューなどがリビングとの延長線上で手軽に楽しめます。

使い勝手は、家族の思いの数だけ増えることでしょう。

洗面所やお風呂も2階に設置すれば、バルコニーに
洗濯物を干すまでの動線もぐっと楽になりますね。

室内干し派の方には、リビングに併設したホールが
格好の干場となるでしょう。

つぎにデメリットです。

まず第一に挙げられるのが、ゴミ出しの手間ではないでしょうか。

特にキッチンの生ゴミは階下にもって降りなければならず、
その経路が悩みの種です。

1階のように勝手口から外のゴミ置きに仮置きし、
ゴミ出し日にまとめて出す、という流れが出来なくなります。

仮置きは室内もしくはバルコニーでして
1階まで階段でおりて玄関からゴミを出すという
流れになってしまいます。

2階キッチンに生ゴミ専用のミニバルコニーを設置し
屋外階段をつければ、室内を通ってゴミを出すという行為は回避できますが、

生ゴミをもって階段を降りるという手間や

煩わしさは解決できません。

解決法があるとしたら、考え方を変えて生ゴミの量を減らし、
ゴミ出しの煩雑さを少なくすることぐらいでしょうか。

それは、生ごみ処理機を利用する方法です。

コンパクトで室内に置けて臭いもせず、
温風で生ゴミを乾燥、約7分の1にまで減らしてくれる技術は、お勧めアイテムです。
4~5万円台でメーカー品も手に入るようです。

次にあげられるのが、家族構成上の問題でしょう。

2階リビングで、使い勝手のよい、コンパクトな間取りを作ろうとすると
2階にはダイニング・キッチン・水回りなどを配置し、
1階には居室をプランニングすることになります。

つまり自分たちの部屋は1階にあり、リビングへは階段を
昇っていくことになるのです。

高齢者や両親との同居など、今後足腰が弱くなって
階段の昇り降りがつらくなってくることが予想される方との
同居には、2階リビングはあまりお勧めできません。

日ごろから階段を使って2階に昇っていれば
足腰が鍛えられて、健康で長生き・・・

なんて逆説的な考えも耳にしますが、どうでしょうか・・・?

2階リビングの使い勝手には目をつぶって、お風呂や洗面を
1階に配置することで、昇り降りの軽減にはなりますが、

足腰の弱い方も一緒に、家族でリビングでくつろぐというテーマには
階段の昇降機などの設置が必要になってくるでしょう。
建築コスト増も、デメリットの一つです。

キッチンの生ごみ対策としてあげた、ミニバルコニーや屋外階段などは、
オプション工事としてかなりの追加金額が発生します。

また、水回りを2階に配置することで、
割り増し価格を設定する住宅会社が一般的です

荷重のかかる浴室を支えるための構造や、水漏れ対策
2階への給排水工事などが、コスト高の理由です。

2階までお湯を上げる能力のある給湯器選びも必要でしょう。

メリット・デメリットをいくつかお話ししてきましたが、
2階リビングを検討される際は、敷地の条件から検討を始め、

朝起きてから、就寝するまでのご家族の生活の流れを
プランニングの中でシミュレーションしてみてください。

想定できる色々なシーンの中に、今回お話した
2階リビングのメリット・デメリットを加味して
ご判断いただければ幸いです。