日本家屋といえば一般的に木造住宅を思い浮かべますよね。

木造住宅の中で、木が使われている場所は、
見えない部分で言うと壁の中の柱、
天井の中、屋根の下などに使われています。

見える部分では室内の壁や階段、
床といった所が主に木を使っています。

また、使う場所によって種類も変わってきます。

床などは木目や耐久性のある物で
国産であればヒノキ、スギ、桜、松などの種類があります。

最近ではナチュラル志向の傾向があり、
木目がハッキリした床材も多く出ています。

部屋の雰囲気を明るくしたい方は
スギやヒノキ、桜などの白っぽい木を貼ったりします。

古く見せたい方やビンテージが好きな方は
黒っぽい素地のウォ—ルナット(クルミ科)を貼って
シックにされたりします。

その中でも、節があるものと無いものにも分かれますし、
価格が高価なものもなります。

見えている部分にはさほど耐久性にこだわらなくてもいいと思いますが、
見えないけれど、家全体を支えている柱は、
強度や耐久性などが家の寿命を大きく左右します。

古民家で築300年の家や、寺院仏閣など築1000年以上たっても
どうして崩れないのか不思議ですよね。

やはり一つ一つの柱が大きくバランスよく支えているからではないでしょうか。

当然一つの柱が、反ったり、ねじれたり、割れて腐食したりすると
建物全体に不具合が生じますよね。

昔と今では柱の大きさも変わり、
柱の加工方法や家の造り方も変わってきていますが、
安全で安心な家に住みたいと言う気持ちは今も昔も変わらないと思います。

そこで家では柱が大変重要になってきます。

現在では、色々ある柱の種類の中で、
特に良く使われている木材は
(1)スギ (2)ヒノキ (3)集成材などがあります。

どれも安い物もあれば高価な物もあります。
ただしここで柱として比較した場合、
耐久性となると欠点の少ないものを選びたいですよね。

では木の性質から比較すると、無垢材と集成材に分かれます。

• 無垢材(一本の原木から角材を取る)はスギやヒノキ

(1)スギは柔らかく加工がしやすく
木目がキレイで香りも悪くないです。
その反面、乾燥中には反りかたが著しく目立ちます。

(2) ヒノキは固くて強く木目や香りが良いいです。
見せる床の間の柱では無節(節なし)をよく使われます。

ただ一度割れ始めると厄介で修正することが難しくなります。
そこで割れが生じないように、
あらかじめ背割りといって見えない方の面に割を入れてあります。

・集成材は(板材を接着剤で再構成して作られる材料)

(3) 集成材は一本の木から板状にして乾燥させた後、
更に変形部分を取り除き、直板にしたものを圧着させ
一本の柱となります。

材質はいろいろありますが、主にパイン(北欧の松)材があります。

集成材は、農林水産省のJAS規格(日本農林規格)にもなっていて
認定試験に合格したものに認定マーク(JAS)が付けられます。

その試験もたくさんあり、
・剥離試験
・せん断試験
・含水率試験
・表面割れに対する抵抗性試験
・曲げ試験
・ホルムアルデヒド放散量試験
・引張試験

・・・など多くの試験を合格した材料のみとなっています。

 

さて、では無垢材と集成材、どちらが優れているのでしょうか。

実は、どちらにも一長一短があり、一概には言えません。

特に無垢材は、乾燥処理や、見た目や樹齢によって
強度も価格も大きく変わってきます。

住む人が安全性、価格、雰囲気などのうち、
何を優先順位を高くおくかによって選ばれるといいかと思います。

ですがやはり、木の家の見えない骨組みの部分は、
安心で強い木材を選ぶことが大切だと思います。