新築を建てる時、和室をつくるかどうか悩まれる方は多いですよね。
リビングと和室をつなげて大きな空間にして、リビングの一部として使ったり、
来客があったときの客間として利用したりと、使い方は様々です。

そんな和室ですが、たくさんの用語があります。
旅館にあるような昔ながらの和室の図を使って、
和室に使われている用語はどの場所を指しているのかをご説明します。

 

(1)敷居(しきい)
部屋をわける境の部分に敷いた、横にわたした材を指します。
障子や襖(ふすま)などの引き戸を受ける材です。
「敷居をまたぐ」「敷居が高い」といった言葉がありますが、敷居はその家の象徴といわれており、敷居を踏むことは家主の顔を踏むのと同じといわれています。

(2)鴨居(かもい)
障子や襖(ふすま)などの引き戸を立てこむための溝が掘られている横にわたした材を指します。(2)でご紹介した敷居と対になっています。

(3)長押(なげし)
柱と柱を水平につなげるもので、鴨居(かもい)の上についてるものを指します。
昔は構造材として使われていましたが、今では装飾材として使われるようになりました。
和室についている長押は内法長押(うちのりなげし)いいます。長押には様々な種類がありますが、取り付けられている部分で名前が変わります。

(4)地袋(じぶくろ)
床面に接して作られる小さな戸棚を指します。
図には記載はありませんが、壁の天井付近につくる「天袋(てんぶくろ)」というものもあります。

(5)違い棚(ちがいだな)
2枚の棚板を、高さを変えて段違いに取り付けた棚の事を指します。

(6)小壁(こかべ)
幅の狭い小さな壁を指します。
図では長押(なげし)と天井の間にある幅の狭い壁です。

(7)床の間(とこのま)
「床」と呼ぶ事もあり、和室の一番奥の床が一段高くなっているスペースを指します。
床を一段高くして、掛け軸やお花を飾る装飾空間として利用されています。
「床」とは座する場、寝る場所という意味があり、身分の高い方が座る場所を一段高くしたのが始まりといわれています。
また、「とこしえ(永久)」という意味もあり、家の繁栄を象徴するものでもあったそうです。

(8)落とし掛け(おとしがけ)
床の間の上部の小壁を受ける、床と平行に入れる木を指します。
一般的には鴨居(かもい)・長押(なげし)の高さより上の位置に取り付けられます。

(9)床板(とこいた)
床の間の床に張る地板や畳のことを指します。座敷の畳の仕上げ面と同じ高さにする形式と、一段高くする形式があります。

(10)床框(とこがまち)
床の間を一段高くする場合に用いる仕上げ材を指します。

(11)床柱(とこばしら)
床の間の脇に立つ化粧柱を指します。材質や木目にこだわったものが使われる事が多く、床の間の中心的な化粧柱になります。

 

このように和室にはたくさんの用語があります。
和室に使われている用語を知ると、和室の奥深さを知る事ができたと思います。
和室をご検討される場合には、是非ご参考にしてくださいね。