新築をお考えの時、オール電化が良いか?ガスが良いか?
ちゃんとご検討されてますか?

おそらく・・・ですが、何も考えずに
「新築ってなったらオール電化でしょう?」
思っている方が多いのではないでしょうか?

正直な話、私は皆様がどっちを選んでも全く支障はありません。

・・・とは言っても、「私には関係ないし」とは思っておりません。
考えた末の結論であれば、どちらでも良い・・・。という事です。

逆を言えば、このような事もしっかり考えましょうと
申し上げたいのですが、上述の通り新築ってオール電化じゃない?

さも、それが当たり前かのようにお考えの方が多いので
今回、記事にしようと取り上げてみました。

オール電化かガスか?実は、色々な事を考えないと
いけない問題で、歯切れは悪いですが、きっと正解はありません。
判断が難しいですが少しでも参考になる事を書きたいと思います。

私の好みや主観(偏見)もかなり入った記事になると思います。
考えが違う事もあるでしょうが、ご容赦ください(^-^)

最初に皆さんではなく、「売手」の事を考えると
電力会社はオール電化を勧めるでしょうし、ガス会社は
当然ガスを勧めるでしょう。当たり前ですね。

しかし今は、電力もガスも小売自由化の時代ですから、電力会社が
ガスを売る事もできるし、逆も然り。選択肢が増えた事で
少し前に比べ、判断が難しくなっていると言えます。

では本題に。
まず最初に考えないといけない事は、オール電化・ガスそれぞれの
メリット・デメリットですよね?

しかしこの部分は、多くの方は既にご存じでしょうし、他のスタッフの
過去記事にも多く出ておりますので、ここで詳しくは記載しませんが…

まずは一番のポイントである「光熱費」について

そもそもオール電化とガスは2択ではありません。

どういう事か?ここでは「光熱費」という言葉について考えましょう。

「光熱費が安いからオール電化が良いよね!」
聞いたことありませんか?よく聞くだけあってこれは事実と思います。

しかし、それだけでオール電化というのはちょっと判定が早すぎです。

「光熱費」・・・その内訳は大きく分けたら5つに分類されます。
①冷房 ②暖房 ③給湯 ④厨房(コンロ) ⑤動力・照明
この5つです。

さて、お気付きでしょうか?
①冷房や⑤動力・照明は、そもそもガスの選択が難しいですよね?
(厳密にいえばガスエアコンを使い、冷房は可能ですが・・・。)

このように、光熱費・・・ではなく、
噛み砕けば  暖房・給湯・厨房の3つ  を
電気にするか?ガスにするか?という事を話しているんです

だから皆様の選択肢は

オール電化(②③④全て電気)とオールガス(②③④全てガス)
そして一般的にはガス併用と呼んでいますが
②③④どれかをガス・・・という3択になるんです。

下のグラフは資源エネルギー庁のHPから抜粋したものですが

上述の光熱費①~⑤の割合を示したものです。

光熱費は誰だって安くしたいですよね?
そう考えると多くのウェイトを占める ②暖房 ③給湯を
どうするかを考えるべきなんです。

こんな事をここで書くと各方面から怒られるかもしれないですが

安いのは、電気なので・・・
②暖房や③給湯は電気が良いのかな~なんて考えてしまいます。

では、④厨房。つまりコンロ部分はいかがでしょう?
グラフ上では割合は10%未満です。

「使い慣れたガスコンロが良い・・・でも光熱費を考えたら」
このように考えてオール電化、つまりコンロ部分にIHヒーターを
選択する方もおられるんです。

実際のランニングコストの一例を紹介すると
あるお客様のお家は、基本オール電化なんですが
④厨房部分だけは、ガスという方がおられます。

コンロのためだけにガス?基本料金もったいない!
・・・なんて声も聞こえてきそうですが

この方の毎月のガス代金は・・・1500~2000円です。
もちろん基本料金も含めて。
(さらに言えば都市ガスではなくプロパン地域!)

もちろんIHヒーターの方が安いでしょう。
しかしそれは、その1500円がいくらになるんでしょう?
概ね500円~800円程度の節約となるのでしょうか。

そう考えたらコンロだけガスもアリじゃない?
・・・とも思えてくるんですね。

ガスの方が調理時間は短い事が多いでしょうし(私目線)
ガスの方が美味しくできるし(私目線)
ガスの方が料理の幅も広がるし(私の偏見)

※特殊なケース:ハイブリッドコンロ採用※
別のお客様はコンロ部分が、2口はIH、1口はガスのハイブリッドで
プロパン地域、基本料を含んでガス代金は毎月1000円です。

ここで一つ、皆様の心の声を・・・。
「ガス使ったらオール電化じゃなくなって
電気代が高くなるんじゃないの?」

当然の疑問ですね。
昔は、コンロも含めすべてを電気にしないと採用できなかった
いわゆる「深夜電力が安い契約形態」ですが・・・。

今は、③給湯部分に電気の給湯器「エコキュート」を採用する事で
深夜電力が安い契約形態が採用可能なんです。

既に2000文字を超えてかなりの長文になっていますが・・・
もう少しお付き合いください(反省)

②暖房と③給湯をいかに安くするか?・・・と書きましたが
さらに掘り下げると②暖房は冬だけですよね?
③給湯は一年中です。そう考えると選択肢がさらに変化してきます。

長々と書いたからか、私の頭も混乱してきましたが
さらに皆様が混乱するような例をいくつか挙げますね(^-^)

パターン1
一年中使う③給湯を電気にして安くできるから・・・
②暖房はガスファンヒーターやガス床暖房もいいな~。

パターン2
③給湯をエネファーム(ガスで発電もできる)にしたら
②暖房も④厨房も全部ガスが良くない???
(エネファームについては・・・ここでは書きません)

パターン3
②暖房も③給湯も電気にして、④厨房と・・・
⑤動力に最近大人気のガス乾燥機を採用しようよ~

いかがでしょうか?別に皆様の混乱が目的ではないのですが
意外と単純な話じゃない事だけは伝わったでしょうか?

光熱費がメインの構成となってしまいましたが、最後に
それ以外の事も書いておきましょう。

※お手入れ※

光熱費うんぬんではなく、清掃性を考慮して④厨房は
IHヒーター(電気)の採用はかなり多いです。

ガスもガラストップというお手入れ簡単なタイプもありますが
コンロそのものの価格が高い傾向にあります。IHヒーターは
安価なものでもお手入れは簡単です。

※安全性※

火を使わないIHヒーター。当たり前ですが火災のリスクは低く
小さなお子様やご高齢の両親と同居の方には人気です。

しかし、火を使わないから安心・・・という先入観からか、
火傷の事故は一定数あるようですので過信は禁物です。

※調理※

個人的な意見としてはガスの方が早いと思います。
家事の時短は多くの女性の方から支持があると思います。

半面、調理中コンロ周りがどうしても暑くなることは
否めないので、最後は好みによるのではないでしょうか?

※災害※

自然災害の時に、ライフラインを電気1本にする事がどうか?
・・・という話も聞いた事があります。確かに・・・と思います。

しかし、電気が使えない状況下でどれだけガスコンロを
使用するのか?という素朴な疑問もあります。

※個人的に※

私はこう見えて(見えないですが)結構、料理をします。
一長一短あるIHとガスコンロ。料理によって使い分けたい。

そういう意味で、ハイブリッドコンロはオススメです。
ただ、それを採用するとなると、キッチンメーカーが限られます。

もしキッチンは〇〇がいいよね?なんてご希望があったら
ハイブリッドコンロは選択できない可能性が高いんです。

ちなみにハイブリッドコンロ・・・
「魚焼きのグリル」が付いていません。
(私は不要派なのでデメリットではないですが)

今回は相当長くなってしまいましたが、何をとっても
一長一短です。新築をお考えの時は、間取りや設備・デザインなどに
目を向けてしまいがちです。お気持ちはよくわかります。

しかし、今回の記事のように当たり前と思っていたかもしれない所に
目を向ける事も計画序盤では特に大事なんです。

今のうちにしっかり検討しましょう。

長い長い記事、最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

次回はお掃除について記事を書く予定です。