プランを考えるときになって、意外と迷ってしまうのが、
室内の入り口のドアを『引き戸』にするのか
片開き戸』にするのか、ということです。

【引き戸(片引き戸)】

【片開き戸】

 

私が長年やってきたプランニングの経験と、
実際に住まわれたお客様の感想をたくさんお聞きした結果、

私のおすすめは、引き戸の中でも片引き戸です!

特にお子様が小さかったり、お年寄りが居られるご家庭ほど、
片引き戸を選択されるケースが多くなったような気がしますよ。

そこで今回は、私が片引き戸をおすすめする理由を、
使い勝手や、メリット、デメリットを片開き戸と比較しながら
ご案内したいと思います。

 

まずデザイン性の面で、
片引き戸の場合は、洋風の室内に合わないので絶対にNG!
と決めている方もおられます。

デザインはお好みがあると思いますが、
片引き戸片開き戸と同じようなデザインが揃っています。

それから、片引き戸を苦手な方が気にされるドア枠も、
ホワイト色を選択すれば目立たなくなります。

さらに最近多くなった背の高いハイドアを選択すれば、
室内の感じもまた違ってくるのではないでしょうか?

 

次に、引き戸はお子様が開いたり閉めたりする際に、
勢い余ってバタンと音がしそうでNG!とのご意見も多いですね。

でも、現在の多くの引き戸にオートクローズ機能がついていますので、
開け閉めはとても静かですよ。

 

そのほか、片開き戸の場合ですと、

『間取りによってはドアとドアが開いた時に、
重なって接触して傷がついてしまった』

『廊下を家族が通っている際に、うっかり勢いよく開けてしまった』

『夜中にトイレに入るとき、昼間しっかり閉めていなかったので、
窓から吹き込んだ風で開いたドアに気が付かず
おでこをぶつけて怪我をしてしまった』

・・・など、一見ありえなさそうで、
実は意外と多い室内事故の原因になったりするんですよ。

みなさん注意しているつもりでも、
ついうっかりといったところでしょうか。

日々何気なく開け閉めする場所ですから、
常に注意をはらっているのも大変かもしれませんね。

 

また、お部屋の換気をするときも、
片開き戸は風の力で自然と開いたり閉まったりしてしまいますが
片引き戸の場合は、ちょっとだけ開けておくことも可能ですよね。

開け閉めのときも、片開き戸の横に物があると当たってしまい180度開きませんが、
片引き戸ですと、戸自体は壁の厚みの中を行ったり来たりしますので、
すぐ横に家具などを置いても大丈夫です。

将来車椅子等を利用されるケースをお考えのみなさんも、
片引き戸の方が、開け閉めの際の取っ手の位置が手の届く範囲にあるので
使い勝手の良さで支持されている方が多いですね。

あと、現在の建物はバリアフリー(段差がない)が前提ですが、
トイレなどでは逆に段差がないので脱いだスリッパが片開き戸に当たることもあります。
些細なことですが・・・

 

さて、ここまで片引き戸の方がおすすめの理由をご紹介してきました。
しかしながら、デメリット(注意点)も当然ですがあります。

まず価格は、枠が長い分、片開き戸よりも高くなります。

構造面では、片引き戸を開けたとき、
戸が移動する部分には当然柱が立てれませんので、
間取りによっては柱が少なくなってしまいます。

建物は柱の量や位置、バランスなどで強度が変わってきますので、
ここは注意が必要です。

気密性と遮音性では、片引き戸片開き戸に大きな違いはありませんが、
片引き戸のデザインによっては差が出る場合があるので、
片開き戸の方が優れていると言えます。

それからお掃除の際には、
レールに埃が溜まりやすいですね。
以上、引き戸片開き戸の違いと、
私が片引き戸をおすすめする理由について書かせていただきました。

今まで室内の引き戸片開き戸についてまでは考えたことがなかった方は、
これを機会にちょっと考えてみませんか?

なお、ここに書いた以外でも、ドアを取り付ける位置や、
お部屋の用途によっても使い勝手や満足度が変わってきます。

後悔しないためにも、建築会社の担当の方に、
間取りだけではなくドアの種類もしっかり相談してみてはいかがでしょうか?