新築一戸建てを考え始めたら一度は
必ず聞くことになる『長期優良住宅』という言葉

それぞれの会社で長期優良住宅だったり
そうじゃなかったり…

実際、長期優良住宅ってどんな家で
どんなメリットがあるんでしょう?

今回は、長期優良住宅の特徴と
そのメリットとデメリットをお伝えしていきます。

まず、長期優良住宅の認定基準についてです。

1.劣化対策
構造躯体が100年程度の期間、使用できる事
具体的には、木造であれば床下や小屋裏の点検口の設置
点検口を設置する事は本来であれば当然の事なので
それほど難しい基準ではありません。

2.耐震性
極めて稀に発生する大規模な地震があっても、建物の
損傷を抑える構造

具体的には、建築基準法で想定する1.25倍の地震でも
倒壊しない事です。これは性能評価の耐震等級2に相当します。

3.省エネルギー性
断熱性能などの省エネルギー性が確保されていることとされており
性能評価の省エネルギー対策等級4に相当します。

4.維持保全計画
構造耐力上の主要な部分や雨水の浸入を防止する部分
給排水設備について定期的な点検の時期や内容(補修の計画)
を策定。少なくとも10年毎に点検を行う必要があります。

上記項目は必ずクリアしないといけないでしょう。

続いては、メリットについてご説明します。

1.所得税の住宅ローン控除
居住開始年が平成26年以降であれば、控除対象限度額が
一般住宅なら4000万円のところ、長期優良住宅なら5000万円
なります。

これは、10年間の最大控除額が、10年間借入残高が5000万円以上
あれば、500万円になるという事です。

2.登録免許税
所有権の移転登記・保存登記の登録免許税が軽減されます。

3.不動産取得税
一般住宅であれば1200万円の控除ですが、長期優良住宅であれば
1300万円の控除となります。

4.固定資産税
固定資産税は一般住宅であっても1/2は軽減されますが、
軽減期間3年のところ5年となります。

続いてはデメリット面になります。

1.長期間の維持保全点検
新築して5年、10年などのタイミングで定期点検を行わないといけません。
施工主様が自ら行う事も可能ですが、建築メーカーの保証期間内であれば
メーカーに依頼する事も手段の一つとなるでしょう。

ですが、メーカーの保証期間は20年等が標準的です。
その後の点検作業は必然的に施工主様が実施しないといけないでしょう。

点検の内容としては、見た目的なところだけではなく
柱、梁等の構造部材の状況や、上下水道の配管状況等も
点検し、記録していかないといけません。

専門的な点検が必要になる事から、この点は施工主様の大きな負担に
なると思われます。

そして、この点検作業は義務となっておりますので、
点検内容は行政等に報告もしないといけません。

もしこれを怠った場合、30万円以下の罰金を課せられます。

また、長期優良住宅である事で受けた優遇面の金額の
返金を要求される場合もあります。

2.申請にコストがかかる
長期優良住宅の認定基準は上記に書いてある通り
最近の住宅事情からして、そこまで難しい物ではない為
既に長期優良住宅の仕様になっている住宅が多いと思われます。

ですが、長期優良住宅の認定を得る為の費用は別途必要になります。
これは建築メーカーや行政によって異なる為、一概に費用は
答えられませんので、検討されている建築業者さんに確認されてください。
3.申請に時間が掛かる
長期優良住宅の認定を得る為には、所有日数がかかります。
設計内容等によって異なりますが、入居希望日が明確に決まっている方
気を付けられてください。

以上になります。

長期優良住宅を検討する際には、その後の費用と手間を細かく
把握し、それでも認定を受ける価値が自分にとってあるのか?

ではなく、長持ちする家が欲しいから認定までは望まないか?
等をしっかりお考えになる事をお勧めします。